『讃美歌21』
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わが主イェス いとうるわし
Schönster Herr Jesu 詞:Münster, 1677 |
SCHÖNSTER HERR JESU (CRUSADER HYMN) 曲:シュレジェン民謡 |
1 わが主イェス いとうるわし。 あめつち造りし かみの御子(みこ)、人の子を なににかたとえん。 |
2 春のあさ 露(つゆ)ににおう 花よりうつくし、 秋のよる 空に澄む 月よりさやけし。 |
3 夏のゆう 青葉わたる 風よりかぐわし、 冬の日に ふりつもる 雪よりきよけし。 |
4 わが主イェス いとうるわし。 あめつちの主こそ わが光 わが冠、 わがよろこびなれ。 |
詩45:3、雅1:3,15-17 | |
(日本基督教団讃美歌委員会編,1997,『讃美歌21』,日本基督教団出版局) |
この讃美歌のルーツは、北ドイツのミュンスターに残されている手稿(1667)にさかのぼります。カトリックの讃美歌集Münsterisch Gesangbuch (1677)には、歌詞と旋律が収められていますが、この旋律は『讃美歌21』に掲載されているものとは違い、短調です。その後、かなり形を変えてシュレジェン地方のグラーツで歌われていたのが、民謡研究家のホフマン・フォン・ファラースレーベン(1798~1874)によって収集され、Schlesische Volkslieder(『シュレジェン地方の民謡集』1842)に歌詞と旋律が収録されました。日本では『讃美歌』(1931)に掲載され、『讃美歌21』でも多少の字句変更のみで継承されています。CRUSADER HYMNという曲名は、この讃美歌が十字軍で歌われていたという考えによるものです。フランツ・リストがオラトリオ「聖エリザベトの伝説」の中でこの旋律を用いていることから、ST. ELIZABETHという曲名も使われています。(参考:日本基督教団讃美歌委員会編,1998,『讃美歌21略解』,日本基督教団出版局)